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『法廷遊戯』必要なのは救済か制裁か。最後に裁かれる者の結末とは。

【無辜(むこ)】・・・罪のないこと。また、その人。 1ページ目の最初に「無辜」の意味が、まるで辞書を開いたかのように記されていました。本のタイトルが「法廷遊戯」とあるように、法律に関することが多く書かれている小説で、法律家らしい始まりだなと...
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『少年と犬』一匹の犬が、悩み傷つく人々の心を救う、感動の連作短編集

とても勇敢で賢い犬の名前は多聞(たもん)。2011年の東日本大震災以降、多聞は主人のもとを離れた後にある場所を目指す。 その途中で様々な境遇の人々と出会い、傷つき悩む人の心に寄り添う。 自分の歩んできた人生を悔やむ人、明日を生きることに希望...
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『クスノキの番人』想い・伝える事の大切さを教えてくれる物語

※ネタバレなしを心がけています。出来るだけネタバレしないよう記事を書いていますので、ご期待に沿えない場合があるかもしれませんが、ご理解いただけますと幸いです。 昔の人々は後世に多くの事を書物や映像、知識や経験を生きているのうちに形として残し...
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『レモンと殺人鬼』張り巡らされた伏線と驚きの結末にあなたは言葉を失う

人それぞれに考え方や行動のとり方は違ってきます。例えば目の前で虐待を受け泣いている子供を守るために、真っ先に子供を抱きしめ身代わりに暴力を受ける人や、手に持っていたナイフで暴力を振るう人に制裁を与える人。どちらにせよ子供を守るための行動です...
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『スキマワラシ』兄弟のひと夏を描いた物語。過去の記憶が見せるものは

兄弟に降りかかる摩訶不思議な体験は、言葉だけでは到底理解されない程の現象が相次いだ真夏の出来事。謎を解き明かすために過去を探る兄弟と、真実へと導く女と犬。スキマワラシとは何者なのか??そして迎えた結末とは??謎多きファンタジックミステリー小...
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『こんな日は喫茶店ドードーで雨宿り。』疲れた心がほぐれる連作短編集

仕事でミスをしたり、理不尽な移動や解雇で悩む人。自分に自信が持てず、卑屈な考え方しかできない人。客観的な見方が出来ず、自分だけがなぜ不運なのか。と悲劇のヒロインになっている人。そんな日々の生活で疲れた人たちが、導かれるように訪れる喫茶店での...
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『バナナケーキの幸福』心から温まる物語。第二の人生で得たものとは。

今回は、『バナナケーキの幸福』をご紹介させて頂きます。表紙に描かれたバナナケーキのイラストが特徴的で、私はそのイラストに惹かれて購入しました。本作の内容を示唆するような温かみのあるイラストです。 山口恵以子さんが描く、心温まる感動作を是非ご...
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『お探し物は図書室まで』仕事や夢に行き詰まった時には、この小説。

誰にでも、1度や2度は人生に行き詰まることがあると思います。やりたい事が見つからず途方に暮れたり、仕事が上手くいかず転職に悩んだり、定年退職後に生きがいを無くしてしまったり。 人それぞれに悩みは絶えないと思います。それは生きている証とも言え...
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『カケラ』少女の死をめぐり、見え隠れする人の本性。切ない心理ミステリー。

人は人生の中で一度は「美」について考える瞬間があると思います。周囲からの評価が気になり、自意識を過剰に持ちすぎることで本当の美しさを見失ってしまう。誰しもが経験し、特に思春期に多い悩みではないでしょうか。 周囲からの評価と見え隠れする人の本...
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『アルジャーノンに花束を』10代に薦めたい泣ける本。キミ本大賞第1位

全国の中学・高校教師が選んだ「君に贈る本大賞」に選ばれるだけあって、感受性の多感な10代にはぜひ読んでもらいたい一冊です。もちろん年齢問わず幅広い世代の方々にも知っていただき、この作品が長年愛され続けている意味を知ってもらいたいです。 私は...