こんにちは！本に埋もれて爆睡したいケンタです。
今回は、小川糸さんの『ライオンのおやつ』をご紹介します。
生きていることが辛くなったり、今の自分が幸せなのかわからなくなったりしている方に
読んでいただきたい小説です！
内容紹介（裏表紙より）
人生の最後に食べたいおやつは何ですか？
若くして余命を告げられた主人公の雫は、
瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、
本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日に入居者がリクエストできる『おやつの時間』
があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
食べて、生きて、この世から旅立つ。
全ての人に、いつかは訪れることをあたたかく描き出す、
今が愛おしくなる物語。2020年本屋大賞第2位。
主な登場人物
海野 雫（うみの しずく）
本作の主人公。33歳ながら余命宣告を受けた後に、瀬戸内にあるホスピスで余生を過ごすため島にやってきた。
マドンナ
ライオンの家にいるスタッフ。常に冷静で、隅々まで心配りができる人。雫も含めた入居者の身の回りのお世話をしている。
六花（ろっか）
いつも雫の部屋にやってくる犬。昔にライオンの家にやってきた入居者が連れてきた犬。すでに飼い主は亡くなっているため、入居者全員でお世話をしている。
狩野姉妹（かのしまい）
ライオンの家で、ご飯とおやつを作っている。ご飯担当が姉のシマ。おやつ担当が妹の舞。
田陽地（たひち）
島の畑で葡萄を育て、ワインを作っている。
こんな人に読んでほしい
日々の生活の中で、他人に感謝する事が減ってきている人。
『人生の最後を迎える＝怖い』と思っている人。
ゆっくり読めて、心癒されるような本を探している人
注目ポイント
おやつの時間
毎週日曜日におやつの時間がある。入居者がもう一度食べたいおやつをリクエストする事ができる。そのおやつをリクエストした人が、どんな理由でもう一度食べたいのか、そのおやつに対する思い入れを発表し、みんなでおやつを食べる時間。おやつを通じて、その人の歩んできた人生を感じる事ができる時間。
死ぬ事に抗わない
ライオンの家に住む入居者やスタッフは、死ぬ事に対しての恐怖、やり残した事への焦りなどと言った事は考えていない。
残された時間をゆっくり過ごし、その中で少しずつ夢を叶えていく。スタッフも可能な限りそれに応じるため、ライオンの家の中で流れる時間は穏やかでゆっくりだった。
感想
まずは33歳と言う若さで、余命宣告を受け入れる雫の強さに心を掴まれました。実の親を亡くし、育ての父とは関わりがなくなり、身寄りがない雫だからこそ、ポスピスに行く決心をつける事が出来たのだと思います。
おやつの時間を通じて人生を振り返り、見知らぬ死に立ち向かう姿は、今を生きる私たちに命の大切さを教えてくれているのだと感じました。最後を迎えるその時まで、雫が笑顔で過ごせた事を、とても嬉しく思えました。
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